川崎まゆこ(22歳)のボイストレーニングレポート
仕事に行き詰まりを感じ、窮屈でしょうがなかった頃、仕事だけに時間がしばられていることがやりきれなかった。元々歌うことは好きだった。たまたま雑誌で見つけたヴォイストレーニングという文字に妙に惹かれた。仕事が中心ではなく、夢中になれることがしたかった。簡単にレッスン日が決まった。イメージしていたものとは全く違い、なんだか訳の分からないまま終了した。それでもなんだか楽しかった。レッスンを決意する。
呼吸の練習。脱力した状態で音を出す(かなり細かくくだいて)というレッスンがスタートとなる。あまりにも地道だったが、それさえも上手く出来ず、例え一つのことが出来たとしても、まぐれだったり、次へ繋がっていけなかった。そんな中でも音を出す気持ちよさが何となく感じられて、それが唯一の支えになっていた。レッスン自体ははじめてで、こんなものなのかと思い、感じていたが、漠然と道のりの長さを感じてはいた。
正直レッスンについていくことが精一杯で、このレッスンが何なのかよく分からなかった。ただ、今まで歌っていたのとはちょっぴり違う心地よい音、自分の身体から出ている感じがよかった。地道なレッスンも一つ一つ違う内容になるにつれ、前へすすめている気もして、とてもうれしかった。
何だかここまで出来てきたという光が射したとたんに、逆戻りした。何をしても上手く行かず、レッスンでの出来ない自分への苛立ち、焦りを感じた。これまでのことが何だったのかという思いばかりが先行して、なかなかその時点での自分というものを受け入れられなかった。結局、初期の頃のレッスン内容となり、あまりにも地道なところへ戻った。それでも練習していくうちに随分と忘れていたことが有ったことに気づく。音を出す一連のことを忘れ、ただ、きこえのいい音にしようとしていた。
まだ分からないこと、不安も多い。それでも音を出すための一連のものがかすかにみえてきた。自分の中での良いところ悪いところといったものも少し客観的にも感じられるようにもなった気がする。あまりにも長すぎる道でもあり、実際苦にしたときに冷静さ・客観的なものを見失いやすい不安が大きいのも事実。次々と課題ばかりが増えてきた。それでも、音を出すおもしろさ、たのしさがわかっただけでも、かなり自分にとってプラスだと思う。これから本気でやっていこうと思う。レッスンも苦だとは思わない。